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好奇心の赴くままに隠れた名所を求めて・・・
はんなり京都・再発見の旅

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その1: 大原女さんに大変身

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道端の掲示板でふと目についた1枚のポスター。

「第14回・大原女まつり」...にっこり微笑む大原女さんの笑顔がきっかけで、知っているようで知らなかった素顔の京都を探しにグースと共に走り出した。


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「大原女まつり」。こんな行事があったなんて、全然知らなかったな...。
京都に住んでだいぶ経つというのに、厚化粧した京都の、ファンデーションで塗り固められた表面だけを見ていただけなのかもしれない。

確かに、観光地として京都は有名だ。
清水寺、金閣・銀確寺、二条城、東・西本願寺、等など...ツーリングや修学旅行で誰もが一度は訪れたことがあるんじゃないかな。

けれど、有名な寺社や仏閣だけを゛観光"するより、その陰に隠れて見えない、素朴な面を見つけ出す喜びのほうが断然面白いとも思う。
これは何も京都に限ったことではないけれど...ネ。

いつも通っている道でも、「ここって一体なんだろう?」「こんど来た時に覗いてみよう」なんて思う所、たくさんあるよね。

そんなふうに考えていたら、記憶の片隅で埃をかぶっていた好奇心の層がうずき出して、一枚一枚剥がしてみたい衝動に駆られてしまった。

そう、治りかけのかさぶたを剥がしたくて、気になってきになって仕方がないような、なんだかとってももどかしい感じがしてきたのだ。

そんな疑問がきっかけで、もっと素顔の京都を感じたいという想いを胸に、初夏の片鱗を感じさせ始めた街中の日差しを背中いっぱいに浴びながら目指すのは、大原の三千院。

白河通りを北上し、花園交差点を右折すると、熱の溜まった街中とは別世界への入り口だ。

ひんやりとした山の風を衿元に感じる頃、三千院入り口に辿り着く。

そこでもまた、あのポスターを見つけた。
その片隅に小さな文字で書かれた、大原女の衣装貸し出しという言葉にちょっぴり心惹かれて、すぐ近くの大原観光保勝会を訪ねてみる。

女の子なら誰にでもある変身願望をかなえてくれるこの催しは、大原女まつりの期間中はナント!無料なんだって。しかも、三千院と寂光院の無料参拝券ももらえちゃうという大サービスぶり。

最初はちょっと恥ずかしくてためらっていたけど、タダに弱い私はもうすっかりその気。

だって、京都のお寺を見て回ろうと思うと、拝観料だけでも相当な出費なのだ。決してリッチとはいえない私たち(と、勝手に読者の皆さんも私と同類とさせていただきました)にとっては結構つらいものがあるよね。

さっきまで、どうしようかな~なんて悩んでいたのはどこへやら、早速お願いして、着付けをしてもらうことにする。

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三千院
Photo:Usappu

10分程で大変身。
白い脚半にわらじを履いて、手ぬぐいをかぶり、頭の上には薪をのせてもらった。

いつもはナマクラな生活をしているぐうたらモンのくせに、゛働き者の大原女さん"気分で写真を撮ったり、誰もいない小さな脇道に入り込んでは静かに流れる時間を楽しんだりして大満足。

遊びつかれて戻ると、着付けをしてくれたおばさまが「せっかくだから、そのまま三千院へ行ってらっしゃい」という。
「えーっ、そ、それはちょっと...」と一瞬迷ったが、着付けをしてくれたその気持ちに応えたくて、とぼとぼと歩き出した。

他の観光客の視線が痛い。
けれどそれも束の間、今度はあっちこっちで一緒に写真を撮ってくださいと頼まれて、モテモテ。特に外人さんと修学旅行生にはひっぱりダコ。
日頃、モテ慣れていない(!?)ので、戸惑ってしまった。


1992年著


                                                  (つづく)

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